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2010-01-02 ○○をやっている人に悪い人はいない [長年日記]

私の大嫌いな台詞の一つに、「○○をやっている人に悪い人はいない」があります。

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○○には色々入りますが、私が見た記憶のある物には、「格闘技」「ラグビー」などがあります。

体育系のスポーツに多いのは、スポーツパーソンが常人より体力を有し、暴力に転換する可能性が高いからかもしれませんが、これは私にも良く分かりません。

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私、高校のころ、ラグビー部のバカに、理由もなく石を投げつけられたことがあります。

私はそのバカが嫌いでしたが、少なくとも、私からそのバカに直接何かをしたことはありません。

気に入らないという理由だけで、こういう所業に及ぶのは、「悪い人」だと思います。

と言う訳で、「○○=ラグビー」は、反例が1つあり、成立しません。

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『○○をやっている人に悪い人はいない』という奴がいたら、そいつと、その『○○』を、私に教えて下さい。

即日、私は、その『○○』に参加します。

そして、世間に対して迷惑な行為をしまくって、沢山の反例を作ります。


2010-01-11 JMIの結果が届いた [長年日記]

メンタル・ヘルス研究所なるところから、JMI健康調査の結果が届きました。

会社の業務命令でなければ、絶対に受けないだろう、面倒で鬱陶しい調査です。

(1)性別を入力させ、(2)会社の課を入力させ、(3)職制を入力させ、(4)年齢を入力させて、「統計情報」でオーナに報告するようです。 だから「プライバシーは完璧」だ、そうです。 (以下、一部省略)

コメントは避けます。

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調査レポート内容の記載が非常に無礼です。

失礼この上なく、私は心底腹を立てております。

環境の悪化や将来への展望は、避けえない経済や社会の変動の中の事象であって、個人の責任に帰着する訳あろうはずがありません。

しかし、レポートには、まるで私の責任のように記載されています。

おまけに、『仕事が上手くいかないことを、他人のせいにしていませんか』だと。

よくも、まあ、そんな下品な邪推ができるものだ、と呆れて物も言えません。

景気が悪くなれば、仕事も上手くいかないのは、当たり前です。

寒い季節になれば、「寒い」と感じるのはあたりまえのことです。

寒い季節に、「暑いなあ」と、裸になって陽気に振る舞う阿呆のようになることが、このJMIの問題作成者の望みなのでしょうか?

私は、年がら年中、馬鹿騒ぎをしているような、そういう体力は、もう残っていないんですよ。

家族全員でこのレポートを読んで笑い飛ばしたあと、ゴミ箱に捨てました。

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私のかつての同僚であった女性は、

『宇宙から私を呼ぶ声が聞こえる』→『はい』

と記載していたそうです。

『やるねぇ』と私が嬉しそうに言うと、彼女はニヤリとしていました。


2010-01-19 「今日の運勢」に関する一考察 [長年日記]

私は占いというものを信じない訳ではないのです。

統計学(例えば、平均から2σ(標準偏差)に入る確率は66%とか)、あるいは、物理学(良いこと悪いことは、概ね同じスカラー量で周期的に繰り返す)という要素に、各個人の属性やら、環境やらを考慮した、一種の長期トレンド分析と思っているからです。

しかしですね、そう考えると「今日の運勢」というのは、理解しにくい訳です。

星座や血液型によるカテゴライズに、意味があると(無理やり自分を納得させて)仮定しても、24時間以内の事件推測は、かなり(というか、絶望的に)難しいと思うのです。

「検証をする」とまでは言わないのですが、その占いに至った「根拠」を知りたいのです。

# 別に論理的に破綻していても良いし、嘘でも良いのです

## 土星と木星の視野が30度以内に入ると、そこから惑星間オーラが

地球に及び、この惑星オーラは、平均気温11度の環境で生まれた「さそり座」の、特に血液にA0,B0型血液に影響を与えるから、とか(めちゃくちゃ、凄く嘘くさいけど)。

根拠のない結論って、気持悪いんです。

その上「今日の運勢は最悪です」と言われて、鼻で笑い飛せるほど達観してもいませんし。

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「今日の運勢」の価値は、別のところにあると思います。

「上から落ちてくるものに気を付ける」

「黄色のTシャツがO.K」「水色のハンカチはN.G」

「好きな人から告白されるかも」

「人からあらぬ疑いをかけられるかも」

こんな文章よく作れるものだ、と、本当に感心します。

私も駄文創作力では右に出るものは、国内に2000人くらいしかいないと思いますが、「今日の運勢」に登場するこの脈絡のないセンテンスを作り出すのは、大変な努力と(おそらくは、相当なストレス)もあると思います。

読んでいる人に、「おや?」と思わせるような意外で気を引くようなキーワード、普段気がつないようなアイテム、世間の殆どの人が体験し得る生活の事象を取りあげるなんてのは、そんな簡単にできるものではありません。

# 『「素敵な彼氏に会えるかも!」 → 可能なら、会いたくない。』というものもありますけどね。

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「今日の運勢」は、文学であり、著作権の保護対象となる、と思います。

著作権法第2条1項

著作物 思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。


2010-01-25 笑わせるな! [長年日記]

○GPSのサービス研究をしているのに、携帯電話のGPSのナビサービスすら使ったことがない。

○スマートグリッドの研究をしているのに、自宅の家電製品の消費電力すら計測したことがない。

○ネットワークの研究をしているのに、通信ドライバ一つプログラミングしたことがない。

○OSの研究をしているのに、カーネル再構築すら試みてみたことがない。

○特許権の効力を説明するのに、特許法すら読んだことがない。

◎研究員のくせに、「さよならジュピター」すら読んだことがない。


2010-01-27 最高の笑顔 [長年日記]

小学校5年生の娘がテレビを見ながら『無罪って何?』と聞いて、私は少し考え込みました。

そろそろ、『無罪とは悪いことをしていないこと』というのが、正しくない概念であることを教えても良い時期だと感じたからです。

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『ある人が麻薬を家に隠し持っていました。お巡りさんが、この家の窓ガラスを割って、家の中を探して、この麻薬を発見しました。それを証拠として、その人を逮捕しました。この人は有罪になるでしょうか』

『なるでしょう?』

『100%無罪になります』

『どうして』

『法律的に正しい手続で行われていない捜査では、有罪にできないから』

ここで嫁さんが割って入ってきました。

『麻薬を所持していたことは明かなんでしょう』

『うん』

『それでも無罪になるの。減刑されるくらいじゃないの』

『駄目。適法に取得した証拠でなければ、裁判所は採用できないし。お巡りさんが、捜査令状を裁判所から貰っていれば、問題なかったんだけど』

だから、無罪とは悪いことをしていない、ということではないことを説明しました。

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『じゃあ有罪か無罪は、誰がどのように決めるの?』

『原則として、裁判官が自分の判断で、勝手に決める』

『え!? そんなの困るじゃん。裁判官が、「この人、なんとなく嫌」って思ったら、誰でも有罪にできるの?』

『裁判は、そういうものだから。「自由心象主義」というんだけど。ただ、刑事事件だけは、自白*だけ*では有罪を認定できないという例外はある』

『・・・』

『しかし、刑事事件についても、証拠についてはその有効性が良く分からん場合は、やっぱり裁判官の主観だけで決まるという面はあると思う』

だから、有罪が悪いことをしていること、とは言い切れない、ということも説明しました。

ちょっと早いかな、と思ったけど、まあ良い機会でしたので。

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人生において誰も彼もに、愛想よくする必要はないのです。

家族にも、友人にも、彼氏との最初のデートの時でも、結婚式のウエディングドレスに身を包んだ時でさえも、その気がないなら笑顔を見せる必要はありません。

「最高の笑顔」は、被告席に立ったときに向き合う、裁判官に対して*だけ*、見せれば良いのです。


2010-01-28 パリの平家物語 [長年日記]

何年か前に、学会聴講でパリに行ったときのことです。

モンパルナス・タワーの最上階で、クロワッサンの朝食を食べて(貸切状態)、結構幸せな気分になりながら、モンパルナス地区を、てくてく歩きながら、ホテルに帰る途中、モンパルナス墓地に寄りました。

ボーヴォワールやサルトルの墓を見ておくのも、一興かと思いまして。

私はついぞ、彼等の著書を読むことはありませんでしたが。

学寮の管理人の叔母さんから『ボーヴォワールくらいは読んでおきなさい』と言われていたのですが、ボーヴォワールやサルトルについては、彼等が「事実婚」であった以上の知識はなく、現在に至っております。

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私は墓地の雰囲気は結構好きな方です。

結構寒い冬の午前でしたが、そこそこ人もいました。

しかし、歩いているうちに、モンパルナス墓地の人気のないエリアにさまよい込んでしまいました。

そこには、すでに管理が放棄され、何百年も放置されていたであろう巨大な墓の建造物がいくつも立ち並んでいました。その大きさたるや、私の部屋よりも大きなものでした。

その規模や作りから、当時、相当な財力を誇った貴族の所有していたであろうことが推認される墓でした。

しかし、100年単位で放置されて、崩れかけた巨大な石の建造物は、それゆえ、朽ち果てることもできず、その醜悪な態様のまま放置され続けていました。

子々孫々その栄華が果てしなく続くことを信じて、その建造物に埋葬されているであろう者達の想いは、安らかであるのか否か。

栄華の果ての没落に、その存在を自ら消し去ることもできない悲運に、「盛者必衰の理」が胸に去来しました。

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欧州の華やかな街の中で、平家物語に思い馳せるという、奇妙な時間に幻惑された一時でした。