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2012-01-28 昨日の続き [長年日記]

先日、課長の代理で、主任研修を受けてきました。

テーマは「うつ病」。

なお、守秘義務があるので、背景や目的はお話できません。

# ウソです。説明が面倒なだけです。

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私のもっている「うつ病の症状」のイメージは、基本的に

■ゆううつ、悲観的、取り越し苦労、人に会いたくな等の、気分の低下

■イライラする、落ち着きがない、そわそわする等の、挙動不信

■おっくう、無気力、根気がない、関心、興味の低下、決断力の低下 等の、意欲の低下

などです。

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この症状、私にも出ましたので、理解できるのです。

加えて言うと、私の場合、

「やらなければならないという気持ちがあるのに、『物理的』に体が動かなくなったと」

ということがありました。

言うなれば

『マウスとキーボードとディスプレイのない、電源が入っているだけのパソコン状態』

という感じだったかと、思います。

あれは、怖い経験でした。

私の場合、運よく医者にも行かずに自己治癒したようです。

しかし「うつ病」だったというのは自己申告でしかありませんので、単なる外科的または内科的疾患だったのかもしれません。

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さて、話は戻りますが、その研修で「新型うつ」というのを聞いて、驚愕動転しました。

==========説明抜粋==========

日常生活や仕事、友達関係などがうまくいかなくて「自分を責める」という従来型と違って、『周りの環境や他人のせいにする』

特に、仕事場で多く、物事がうまくいかないことを『会社や上司のせい』にして、「会社が悪い」「上司が悪い」などの言葉が口癖のように言うようになる。

==========説明抜粋ここまで==========

『うん? 何故あんた(講師)は、

私(江端)のこと

を、そんなに良く知っているのだるのだ?』

と、その時本気で思った自分がいます。

この説明に、

『そういう不満を、毎日自分の日記で、ぶち上げている』

というフレーズがついたら、間違いなく、自分(江端)ことを言われている、と思ったでしょう。

==========説明抜粋==========

わかりやすく言ってしまえば、

「仕事中にだけうつになり、会社の外では元気」

というのが「新型うつ」。

==========説明抜粋ここまで==========

ん? ちょっと違うな。

私の場合、

『仕事中に怒っており、会社の外でも怒っている』

なら正しい。

# しかし、それでも立派な「人格障害」だよなぁとは自分でも思うんだけど。

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講師の先生が、最初に

「皆さんは、私の説明を聞いて、腹が立ってくると思いますが、先ずは我慢して私の話を聞いてください」

と前置きをして、話を始めました。

■一見人当たりがよく、会話を好む30代前後の男性。

■会社に対する忠誠心のようなものは持たず、なにか失敗や問題を抱えていても「会社のせいだから」「上司のせいだから」とクールな対処。

■「そもそも、私は、こんなチンケな部署にいるような人間ではないのだ」と、上司や同僚を人を見下す態度を繰り返す。

■体調不良で朝突然連絡をしてきて休むことが常態化している。

■インターネットで調べて、「私はうつ病だから当面休む。会社には私を保護する義務がある」と電話してくる。

■「うつ病」との診断書を持参して、「私はうつ病ですから、がんばれと言ったり、残業しろと言ったりしないでください」とはっきりと言う。

■これをもとに当然のごとく休職する。

■会社を休んで、合コンに出席しているところを同僚に見られてていたり、休職期間中に海外旅行をしていたことが、後で分かったりする。

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うん。はっきり言おう。

部下、上司、同僚関係なく、私はこいつを

『殴る』

まあ、法治国家では、暴力は問答無用で否定されるべきなので、言い直そう。

純粋な汚れなき真っ黒な悪意で、あらゆる手を尽して、こいつを

『潰す』

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と思っていたところで、講師の先生が、決めつけるように言いました。

『でも、けっして「詐病」ではなく、怠けている訳でもないのです』

『本当に完全な病気で、本人は心底、地獄の中にいるように苦しんでいるのです』

うーん、やるな。この講師。

説明が上手ぞ。

管理職の『管理』の意義と苦しさを、よく分っている。

閑話休題

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昨日の日記で私は以下のような文章を書いています。

<抜粋>

この時代にあって、今、我々に求められる力とは、

『あなたには、ついていけません。さいなら』

と言い放って、何もかも放り出して逃げだす勇気、

「逃走力」

かもしれません

新型うつ病の病症って、私が上で書いている「逃走力」と同じではない、とは言い切れないと思うのです。

私が啓蒙するまでもなく、私の主張していた「停滞主義」「転向力」そして「逃走力」は、

私が望んでいた形とは全く違う方向(絶望的に悪い方向で)で、

しかも、

現代病の病理として、

すでに確実かつ着実に進行していたのだ、と思えるのです。

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この病理が着実に広がりつつあるこの社会においては、

■組織的なモラルを規範とし、

■自罰的なルールを自分で勝手に創作し、

■それを守るという律儀さ

なんぞは、もはや欠片もない―――。

「日本赤軍」や「オウム真理教」などの、狂信的なテロ集団は、もうどうやったって、その組織を維持できまい。

構成員は、そのテロ集団の幹部に、

(1)「私はうつ病だから当面休む。日本赤軍/オウム真理教教団には、私を保護する義務がある」と電話してきて、

(2)「うつ病」との診断書を持参して、「私はうつ病ですから、

■がんばれと言ったり、

■誰かを拉致しろと言ったり、

■どこかに爆弾しかけてこいと言ったり、

■誰かを暗殺してこいと言ったり、

しないでください」とはっきりと言う、と。

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ありとあらゆる組織は、これから、この病気で活力を失っていくでしょう。

そして、その組織の中には、多分「テロ組織」も含まれる訳で ―

― そして、こんな結論は、身も蓋もないのですが、

世の中の事象は、悪いこともあれば、いくつかは良いこともある、と。