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2013-06-16 「児ポ法改正」に関する一考察(その1)

いずれ分かることなので、お話してしまいますが、 先日、漫画家の赤松健先生にインタビューさせて頂きました。

今回も「大爆笑」させて頂き、それと、色々と沢山の「元気」も頂きました。

これから4回程度に分けて、別途、技術コラム(×英語コラム)の方で色々と書かせて頂く予定としています。

さて、それはさておき。

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その時、先生から「児ポ法改正」と言う言葉が出てきたのですが、その内容を詳細には知らなかったので、今回改めて調べてみました。

この法律に辿りつくまでに、検索エンジンで10分以上もかかりました。

『まず、法律の本文はどこにあるんだよ!本文だよ!!』

批評や解説は腐るほどあるのですが、先ず私は、それらを読む前に条文を読みたかったのです。

多くの人は、批評や批判をする前に、まず条文を読もうと思わんのか ――まあ、思わないでしょうね。

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私は、著作権についてのコラムを書いた時、つくづく思ったものです。

―― 批難してくる人間の95%(江端主観)は、著作権法条文を1ページも読んでいない。

まあ、それが一概に悪いとは言いませんが。

インターネットを使っている人の全てが、TCPやHTTPのプロトコルを理解していなければならないかと言われれば、それは「暴論」というものです。

しかし、人を批難してくるなら「形式的にでも、調べてきてから文句言えよ」とは言いたい。

「こっちは、ここ10年、ほぼ毎日、知的財産権法の条文集に、汚い自分の字で書き込みする程度には、ちゃんと勉強してきているんだから」、と。

さて、話を戻しまして。

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「児ポ法」、正式名称は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」で、1999年に制定。

5分で読んだ概要は以下の通り、

■第17条までの比較的短い法律。

要点は3つ。

■(1)児童の買春、周旋、勧誘の防止、と、

■(2)被害を受けた児童の適切な保護、と、

■(3)児童ポルノコンテンツの、生産、譲渡、輸入、輸出の禁止(インターネットを使ったものも含む)、と刑事罰(5年以下、500万円以下の罰金、その併科)

私の所感としては、上記(1)(2)の規定は当然として、(3)は特許法の実施と侵害の概念に似ている、と感じました。

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では、その「児童ポルノ」コンテンツとはなんぞや? と思い、「児童ポルノ」の定義を探してみると、第2条3項に記載があります。

江端による乱暴な解釈を以下に記載します

■以下のアナログまたはデジタル写真である(2条3項柱書き)。# 動画は写真?

(1)児童がSEXしているもの、または性的暴力を受けている写真(エロか否かは関係なし)(同1項)

(2)児童の性器に接触している写真で、エロいもの(同2項)

(3)児童の全裸または半裸の写真で、エロいもの(同3項)

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さて、ここから本論。

今回の改正案は、「児童ポルノコンテンツ」を「持っているだけ」でアウトという点にあるようです。

流石に、私もこれにはビックリしましたね。

特許権でも、特許侵害品を「持っている」ことがアウトとなる規定がありますが、それは「譲渡」や「輸出」が目的である場合に限られます(特許法101条3号6号)。

特許侵害品であっても、それを自分で作って、または個人的に使っている場合には、侵害は問えません。

比して、今回の改正案は凄いです。

所持だけで、即アウトになるのです。

特許法が、「条件付き所持」を違法と制定するまで、相当な時間をかけてきたのに対して、こんなに早く対応できるのはどうしてか、というと、まあこんな理由でしょう。

■「そんな写真を、蔵書している奴や、財布に入れて持ち歩いている変質者は『この日本にははいらん』という嫌悪感。

■そのような写真をインターネットで、一度でも流出したら、もう事実上取り返しがつかないのが常識ですが、その常識に対する立法側からのチャレンジ 。

―― つまり、所持しているだけでも、それが再び流出する可能性がある。それなら、その可能性を、事前に完璧に「叩き潰す」

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■「生徒に全裸写真を写メで取らせて、それをメールで送付させる「教師」」

■「自分の娘の全裸写真を、インターネットで散蒔く「保護者」」

このような阿呆を、現在の「児ポ法」では裁けないのです。

条文を見てみると、『前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し』(第7条2項抜粋)、となっており、その「前項」とは『児童ポルノを提供』(同1項抜粋)する目的でなければ、対象にならないのです。

簡単に言うと、「自分のスマホに入れて、見て、ニヤニヤ楽しんでいるだけの「変態教師」や「狂った保護者」は、現在の「児ポ法」は裁けないのです。それどころか、児童の合意が認定されれば、違法行為も成立しないかもしれません。

例えば、上記の行為を、成人カップルが行って「違法行為」になるか、と問われれば「そりゃないだろう」と思えますよね。

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さて、「児ポ法」の改正案ですが、感情論としては私は理解できます。

■私二人の娘たちの全裸写真があったとして、それを所持している奴がいたら、私が「この手で殺しに行く」だろうし、

■それを販売している店は、「手製の爆弾で爆破する」だろう、

と、ナチュラルに思えるからです。

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だからこそ、私は、この法律は「極めて危険な匂いがする」と思っているのです。


2014-06-16 論文は、私のコラムを参考にして、書かれるべきだと思う

先日、後輩がビックデータの論文集を貸してくれたので、しばらく借りて一通り読みました。

The other day, a junior colleague lent me proceedings about big data, so I read it for a while.

返却する時に、御礼と以下の感想を述べました。

When I returned it, I said "thank you" and the following impressions.

■論文が長い上に、私には内容が難しい

The papers were long and difficult for me.

■論文は、私のコラムを参考にして、書かれるべきだと思う

I think that any paper should refer to my columns.

■例えば、

For example,

『その時、私はそのデータを見て、驚きの声を上げた』

"When I watched the data, I gave a voice of surprise."

とか、

and,

『こんな結果は、とても受けいれられない! 』

"I shouted that I could not accept the results of my experiments."

とか、論文の中に入っていたら、グッと読み易くなるし、論文に説得力が出ると思うのだけどね。

If they could add such a fresh voice, the paper becomes easy to read and carry conviction.

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私は結構真面目に話をしたつもりだったのですけど、

I thought I was going to have to talk quite seriously,

周りの後輩から、大爆笑されました。

I was laughing from many juniors.


2015-06-16 私は、エンジニアや研究員に「萌え絵」を描けといっている訳ではありません(無理です)。

(昨日の続きです)

(Continuation from yesterday)

私は、エンジニアや研究員に「萌え絵」を描けといっている訳ではありません(無理です)。

I don't say that "engineers and researchers should try to make a "moe-e" illustration (maybe it is impossible)

「システムコンセプトを伝える絵」「製品利用イメージ伝える絵」が描けるようになることは、エンジニアとしては、大きなメリットだとは思っています。

Making drawings "to show a system concept" or "to teach usage demo to end users" is a great advantage for any engineers.

私達は、パワーポイントで線画を描くことはできるでしょうし、そのような線画であっても、文字だけの資料よりは、はるかに訴求力はあるでしょう。

We, of course, can draw pictures by common drawing tool, and the pictures is better than just character presentation materials.

しかし、システムや製品のコンセプト図や、それらを使っているエンドユーザのイメージ図には、遠く及びません。

But the character presentations are far from the drawings of system or product concepts.

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「そのようなコンセプト図や利用イメージの図の作成は、デザイン部門の仕事だ」などと、言っていられる日々は、―― 私が思うに、それほど長くない。

I am afraid that it is not long time for us to keep saying "making such concept figures and use cases is not our business".

かつて、特許明細書の文章を作成する部門や、図面を作成する専門部署がありました。コピーだけをする部署もあったくらいです。

The old days, there were some sections to make patent applications, and line arts, and to make copies of document.

しかし、これらの部署は、今や跡形もありません。

Now, these sections had gone with the wind.

パソコンによって、これらの部署は消滅に追い込まれ、それらの仕事は、エンジニアや研究者の所掌範囲に含まれてしまいました。

PC vanished these sections, and the tasks became to be included as a engineer's or researcher's works.

この経緯を考えれば、コンセプト図の作成は、時間の問題で、エンジニアや研究者の手に落とされることは、ほぼ間違いないでしょう。

Come to think of it, it will be shown that we are going to have to start making concept figure in near future.

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この日記の冒頭の、

About the top of this serialisation diary, I wrote

「画才がないと思っている人が、自ら絵を描こうと思うだろうか」

"Do the person who thinks that there is not artistic skill want to draw ?"

という問いに対して、

and, my estimation result is

今の私の答えは、

「画才がないことを理由に、絵を描かないことが、許して貰えなくなる日が来るかもしれない」

"The day might come that we are not allowed to make pictures on the grounds no talent.

という、予測結果をお伝えするにとどめます。

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という訳で、「江端さんのイラスト作成奮闘記 ―― 画才ゼロの理系エンジニアが、絵が描く」という本の執筆依頼ございましたら、ご連絡下さい。

I'll be waiting for your e-mail, if you ask me to write "Mr Ebata's struggle for making illustrations --- Physical science engineer without artistic talent tries to draw."

「聞いているだけで英語がしゃべれるようになる」だの、「どんなに食べても痩せる」などという、バカげた英語本やダイエット本とは、一線を画する実用書になる予定です。

The book is going to be a practical guide, unlike that the foolish books of "You can speak English just to hear English" and "You can diet even if you eat your fill".


2016-06-16 法律は「被害者が汗をかかなければならない」と命じています

(昨日の続きです)

(Continuation from yesterday)

自動販売機のように、自動的に「正義が実現される」と思っているなら、それは大間違いです。

If you think that justice comes out automatically like vending machine, it is big misunderstanding.

法律は「被害者が汗をかかなければならない」と命じています

The present laws order victims to make an effort.

―― それが、どんなに理不尽であると感じても

、です。

Even if you feel it unreasonably.

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これが、それほど理不尽ではないことを、逆のケースから考えてみましょう。

On the other hand, let think it from the opposite aspect.

例えば、私が、顔も見たこともない女性から、

For example, if I get sued from an unknown woman who said

「江端にレイプされた」

"I was raped by Ebata"

と、主張された場合、

私が、

In addition, when I am ordered by a person to

■自分のアリバイ

prove an alibi of mine,

やら、

or

■すでに、そのような暴行を行う能力を喪失している(例えば、EDの薬を処方して貰っている、等)ことなど

prove my lack of sexual potency with submitting a medical prescription of ED, for example,

and

を、客観的に主張して、無罪を主張する必要がある ―― などと、言われたら、

to claim my innocence objectively,

私は、死ぬほど怒るぞ。

I will get mad with the person absolutely.

(続く)

(To be continued)


2017-06-16 ―― クリエータ、権利者、製作者(以下、クリエータ等という)に対して、失礼にも程がある

人気アニメやマンガが、実写化されることに対して、激しい言葉で非難する人が多いようです。

There seems to be many people who condemn with intense words for making popular animation and manga real live.

―― 当然、若い人に多い。

Of course, there are a lot in young people.

どうも、色々、勘違いしている人が多いように思えるので、この機会に、メモを残しておきたいと思います。

I think that many people are likely to misunderstand about this issue, I want to leave my memorandum here.

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(その1)コンテンツを支配できるのは、コンテンツの創作者(クリエータ)だけである

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(1)Only the creator who make their contents, can control the contents.

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創作物の中でも、アニメ、小説などは、無体財産という私的財産権です。

Animations and novels are objects of right of intangible property, and they are privately owned properties.

私的財産権を、どのように取り扱うかは、創作者(クリエータ)だけが決定でき、コンテンツを消費するだけの私達に、1mmたりとも、どうこういう権利はありません。

Any privately owned property can be controlled by the owner(creator, right holder or producer) only. We, who just can consume the contents, have no right to complain the owner's intentions.

もっとも、私的財産権であるので、当然、金銭で他人に譲渡することも可能です。そして、権利を譲渡してしまった後は、原則としてクリエータと言えども、口を出すことはできません。

Of course, this right is releasable to others by money or other conditions. Because it is privately owned property. After releasing it, nobody, even if it is a creator, cannot say anything about the contents.

いずれにしても、クリエータでも権利者でも製作者でもない、私達コンテンツ消費者風情が、その創作物に対して、法律的に、どうこう言うことはできません。

Anyway, we, who are not a creator, a right holder and producer, are just a poor consumers, so we cannot do anything about their control legally.

また、法律論を持ち出すまでもなく、人道的にも、

In addition, it goes without saying about the law, from the humanitarian viewpoint,

―― クリエータ、権利者、製作者(以下、クリエータ等という)に対して、失礼にも程がある

"It is too rude enough to blame the creator, right holder and producer( hereinafter referred to as "the creators")"

と思うのです。

I think so.

法律的には、クリエータ等には、自分のオリジナル作品だけでなく、その作品を、別の媒体として表現する権利を、独占的に所有します(著作権法27条、28条)。

Legally, the creators have not only the exercise of right of their creations , but also they can get possession of secondary creations too.(the article 27, 28 of copyright law).

実写化しようが、アニメ化しようが、それは、完全にクリエータ等の裁量であり、回りの人間が何を叫ぼうが、意味がないのですが ――

Re-making them as movies or animations, are directional acts, based on the right of the creators. Any protest and blame is meaningless.

それ以上に、「失礼」です。

Moreover, it is a rude manner.

クリエータ等は、自分の世界観を、他のメディア表現手段によって表現したいと思うかもしれないですし、それは、自分の内なる世界を、現実世界に無限に拡張する、有効な手段の一つです。

The creators might want to spread their world-view out in the real world, by using others content expresstions. In fact, that is is a good way to make their dream come true.

そのような、クリエータ達の想いに対して、

For the creator's ideal, I think

―― 私たち、コンテンツの消費者風情が、ガタガタいうべきではない

what we, just poor contents consumers, should do is to keep silent.

と思います。

むしろ、自分の好きな世界観が、形を変えて拡散していくことを、協力するべきである ―― とすら、私には思えます。

We would rather cooperate with the creators intentions toward new worlds, with changing the contents, depending on the new world, I believe.

(続く)

(To be continued)