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2013-06-10 「特許明細書」という物語

昨日、特許のお話をしたので、その続きということで。

特許権に関する幻想を持っている人って多いと思うのですが、我々研究員からすれば、発明は単なる業務です(なお、上記の内容は古い上に、若干の嘘もあります。特許法は殆ど隔年で改正されていますから)

もっと直接的に言えば「ノルマ」。

「発明」がノルマでできるのか、と思われるかもしれませんが、特許発明というのは、一種の小説とかコミックマンガと同じような「創作物」でもあるのです。

「発明」を記載する明細書には、物語、すなわち「ストーリー」が記載されなければなりません。

それを読む特許庁の審査官を、「感動」させなければならないからです。

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特許明細書の内容は、概ね、こんな感じになっています。

(Step.1)まず、巨大な悪の帝国を記載します(課題)。この巨大な悪の帝国を滅ぼす為の兵器を登場させます(課題を解決する公知の技術)。

(Step.2)ところが、この兵器が全く悪の帝国の帝国軍に太刀打ちできず、自由同盟軍は敗走します(公知技術でも解決できない課題)。

(Step.3)そこに、自由同盟軍の新型兵器が登場します(本願発明)。この新型兵器は、誰も見たことがなく(特許法29条1項)、そして誰も思いつくことができな かった(同2項)ものです

(Step.4)自由同盟軍の新型兵器が、帝国軍のくりだす全ての兵器を撃破し、自由同盟軍は最終的に勝利を収めます(本願発明の効果)。

こうして、皆が幸せになることで、物語・・・もとい、明細書は終了します。

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前回の特許明細書で、私は8割を書き上げたところで、「あれ?」と気がつきました。

―― この新型兵器では、悪の帝国の反撃で、撃破されてしまうじゃないか?

こうなると、最初からストーリーを組み直すことになります。

仕事の大半がパーになって、かなり泣けます。

とはいえ、もっと優れた新型兵器をホイホイ発明するのは難しいです。

ですから、ストーリーの再構築に際しては、姑息な手段を考えることになります。

例えば、―― 悪の帝国を最初から「弱く」設定しておく、とか。

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特許明細書という楽しくもない文章を、特許庁の審査官に読んで貰うには、それ相応の技も必要なのです。


2014-06-10 パパの親切とは、『無償かつ無限の親切』ではなく『無償だが限定的な親切』だ

先日、満員電車の中でのことです。

The other day,

座席に座って、吐きそうな様子をしている若い女性の前に立っていた私は、次の駅で、即座に下車して、別の車両に乗り換えました。

In a crowded train, when I stood up in front of a woman, who seemed to be vomit, I got off the compartment, and change it.

嘔吐に巻き込まれたり、その現場に立ち会うなど、御免だったからです。

I don't wish to be concerned in such be vomited, and a witness to the scene.

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という話を、先日家族にしました。

I told the above story to my family.

長女:「『困っている外国の人がいたりしたら、必ず助ける』とか、『最初に優先席に座っておいて、席を必要とする人を見たら、必ず席を譲る』ということをやっているっていっていたよね」

My senior daughter said that "you make it a rule to help foreign persons in need" and "you always keep a priority seat to give a person in need the seat"

私:「うん。実際にそう思っているし、そうしている」

"Yes, I do and have done them, indeed"

長女:「矛盾している!」

"It is contradiction!"

私:「・・・あのなぁ」

"You know...”

と私は、娘に語り始めました。

I told her the following,

―― 私の親切は、私の予定範囲内のものだけだ

- My kindness ranges within my expectation.

―― 私が対処できない人までも、助けるつもりは、これまでもこれからも、一切ない

- I had and have no intention to help person that I can't reach my capability.

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私:「つまり、パパの親切とは、『無償かつ無限の親切』ではなく、『無償かつ、限定的な親切』だ」

"In other words, my "kindness "is not "free and infinite" but “free but limited".

長女:「・・・」

"..."

私:「パパのことを卑怯だと思ってもいいが、それでも、「ゼロよりはまし」だと、パパは信じているけどね」

"Do you think that I am cowardice? Still I believe in "it is better than zero""


2015-06-10 「私達は『浮気』という行為から、もっとも遠いところに位置している人間ですよ」

(昨日の続きです)

(Continuation from yesterday)

特許ブレストにつきあわされた後での、昨日の日記を読んだ後輩との会話です。

After the patent brain storming, I chatted about the yesterday's diary of mine with my junior fellow.

後輩:「そりゃ、手紙でも何でも書きますよ。でも、バカバカしいですよ」

Junior:"If you want, I write a letter or anything to your daughter. But it will be radish."

江端:「何で?」

Ebata:"Why?"

後輩:「私達は『浮気』という行為から、もっとも遠いところに位置している人間ですよ」

Junior:"We are absolutely far from "affair" in the world."

江端:「言わんとしていることは分かるが」

Ebata:"I understand what you want to explain."

後輩:「私達が浮気できるなら、世の中からは女性はいなくなりますよ」

Junior:"If we can cheat, all of woman in the world become to lose."

江端:「・・・?」

Ebata:"...?"

私がよく分からないという風に、首をかしげると、彼は話を続けました。

When I looked quizzical, he continued his talk.

後輩:「私達が1人と浮気できるなら、普通の男性なら20人と浮気が可能です。『浮気市場』における完全な供給不足に陥いります」

Junior:"If we can cheat one woman, other men except us can cheat more than twenty women at the same time. In the "love affair" market, women will come short."

江端:「ま、そうだよなあ。浮気って、やっぱり一種の才能だと思う。あれは資質のある人間にしかできないと思う」

Ebata:"I agree. and I also think "affair" needs some kinds of talent and qualifications."

後輩:「もし、私が何日も自宅に帰宅しなくても、私の嫁は『事故かもしれない』とか『仕事に夢中になっているかもしれない』とは思っても、『浮気をしているかもしれない』とは絶対に思わないですよ」

Junior:"Even if I don't go back home for several days, my wife will think the possibility of accidents or works in the office. But I can tell the world "she never think of my affair."

江端:「多分、ウチもそうだ」

Ebata:"My wife, too."

後輩:「独身の時、合コンの最中に『かったるいなぁ、早く帰って、あの論文読みたいな』と思ってしまう人間ですよ、私は」

Junior:"I am a person who can think "I want to go home and read the paper soon" in during the mixer party."

そういえば、私も、デートの最中に、『彼女を駅に送ってから、何時ごろに研究室に戻れるかなあ』ということを思ってしまう人間でした。

Come to think of it, I also thought "What time can I arrive at the lab, after this date."

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ここで一息ついて、後輩は言いました。

off the go, he said to me.

後輩:「はっきり言いますけど、江端さんのところの娘さん、父親に対して『幻想』でも持っているんじゃないんですか」

Junior:"To tell you the truth, your daughter has an "illusion" of her father, doesn't her?"

江端:「『幻想』?」

Ebata:"Illusion?"

後輩:「江端さんがモテるなどという、そういうバカげた誤認を、どういう観察をしていたら可能となるのか。ちょっと本気で正気を疑いますね」

Junior:"I cannot understand the thought that Ebata-san is popular with women, which is an apparent error. I really doubt your daughter's sanity seriously."

江端:「まあ、そうだけど・・・そこまで、はっきり言われると、腹立つな」

Ebata:"You are right, but I am also totally disgusted with you."


2016-06-10 「人間、楽しく感じることができないことを覚えることは難しい」

(昨日の続きです)

(Continuation from yesterday)

分かっています。

I know well.

私が今一つ、年齢に応じた昇進ができないのは、このような、「徹底した他人事意識」にあることは。

My this thoroughgoing isolationism is one of the reasons why I cannot be promoted in my company for my age.

マジョリティに共通する話題を持つことは、コミュニケーションにおいて、必須事項であることも、分っています。

I also know that it is important to have common popular topics for majority of people, in order to keep good relationships in the world.

だから、私も努力はしたんです。

So I had made efforts for them before.

野球やサッカーのチームやプレーヤーの名前を暗記しようとしたりしました。

I had tried to learn the names of football, baseball teams and the player by heart,

結局、この努力は無駄でした。

However, it had been in vain.

私には、娘の勉強につきあって、チンギスハンの息子や孫が、ヨーロッパや東南アジアに侵攻を始める年号を覚える方が、遥かにラクだったのです。

For me, it is easier to learn the year that Chengjisi Han's son or grandchild started to make inroads into Europe or East-Asia than above with my daughter's homework.

「人間、楽しく感じることができないことを覚えることは難しい」 ―― を再確認しただけでした。

After all, I could re-confirm that "For human beings, it is difficult to learn anything that we feel difficult.

(続く)

(To be continued)


2017-06-10 ―― そのチームの監督には、酷く同情します。

現在、日本でもっともメジャーなプロ野球チームが、結構な連敗を続けているそうです。

Now, I hear a famous professional baseball team continues defeats in a row.

私は、そのチームは勿論、プロ野球に興味がないので(草野球の、数分間の観戦は好き)、全くもって、どうでも良いのですが、

I am not interested in baseball at all (except for amateur baseball), of course, I don't care the condition of the professional team.

―― そのチームの監督には、酷く同情します。

I pity the baseball manager deeply.

監督とは、心労の重なる、苛酷な仕事だと思います。

I think that any task of baseball managers is hard and harsh with strain of grief.

もちろん、誰もがみな、大変な仕事をしているとは思うのですが、その心労が、「1シーズンの間ずっと継続する」というのは、私に言わせれば

Of course, I know that any kind of work is hard and harsh, however, the strain of grief must keep almost everyday for several, is

『冗談ではない』

"No kidding"

負け続ければ、チームの内情や詳細を知りようもない、「ファン」と呼ばれている人や、「評論家」と言われている人から、好き勝手な非難を受け、

If the team continues defeats in a row, "fans" and "critic", who are not familiar with the details or condition of team, blame the manager,

and

勝ち続ければ、根拠のない賛美を受け、その監督の人格までも賞賛される。

if the team continues win in a row, they give the praises of not only the manager but also his/her character.

この非難と賞賛が、週単位でコロコロと代わり ―― 彼らは、その無節操さに、何の恥じらいもない上、

These defeats or praise chop and change week by week, and they don't feel shame at the undisciplines.

and

監督は、仕事の性質上、そのような下らない声を無視することもできない。

According to the nature of manager's jobs, the manager cannot ignore all their opinions.

本当に、「同情」以外に言葉がありません。

I cannot do anything except for feeling pity, indeed.

(続く)

(To be continued)


2018-06-10 教師とは、『その言い訳を生徒に許さない存在』として、存在しているのですから。

(昨日の続きです)

(Continuation from yesterday)

この問題の大部分は、教師側に帰着してしまうのですが、それでも私は、『教師にそんなITリテラシーはない』『教師は忙しくてそんな勉強時間はない』という言い訳を許すつもりはありません。

Most of this problem comes to the teacher side, however I do not allow the excuse that "there is no such IT literacy for the teacher", "the teacher is busy and there is no such study time".

教師とは、『その言い訳を生徒に許さない存在』として、存在しているのですから。

Because a teacher exists as "a existence that does not allow that excuse for students".

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しかし、どんなに教師を叱責鼓舞したところで、実際のところITリテラシーの向上は難しいとは思います。

However, no matter how much I rebuked and inspired the teacher, actually I am afraid that improvement of IT literacy is difficult.

「読み、書き、ソロバン」を、「ワープロ、スプレッドシート、メール、スマホ」にするというのは、明治政府が、国民皆学を目指した時のような難しさがあるのは ――

Replacing "Reading, writing, Soroban" with "Word Processor, Spreadsheet, Mail, Smartphone" is the same as difficulties, such as the Meiji government aimed at studying for entire people in Japan.

いや、そこまで、難しくはないか。

No, is not it so difficult?