江端さんのひとりごと             「台風再考」    来る日曜日、私たちは伊豆にキャンプ(幹事エルカン)に出か けることになっていますが、台風も接近しているようで、キャン プ当日の実施が危ぶまれています。  とりあえず、雨天時は順延と言うことに決まってはいるのです が、私は、少年時代を思い出していました。  台風がくると、停電の中でテーブルにろうそくを立てて夕飯を 食べたり、次の日に学校が休みになりますようにと祈りながら、 夜遅くまで台風情報のニュースを喰い入るように見たあの時間は、 非常に興奮し、楽しい一時の非日常でありました。 江端より、キャンプ参加メンバ全員へのメール  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  こんにちは、江端です。  「雨天時中止」を真っ先に表明した私であるが、「台風時キャ ンプ決行」と言う非常識を考えた場合に、起りうるイベントを考 えてみた。 ・暴風雨の中、かっぱを着ながら黙々と実施される調理作業。 ・吹き飛ぶ食材、食器になだれ込む雨やごみ。 ・野外炊事場から、バケツリレーで運び込まれる食料。 ・いつ崩れ落ちるかわからず、一睡もできないバンガローでの一夜 ・暴風雨で荒れる海に向かって「バカヤロー」の絶叫 ・散々な後悔を後に立ち去るキャンプ場  こういう非日常を実践できる、滅多に無いよいチャンスのよう な気がしてきた。  そこで、無駄とは知りつつ、もし全員決行の意志が確認された 場合に限り、「台風キャンプ断行」をしてはどうかと提案する。  諸君の圧倒的リプライを期待する。 エルカンからのリプライメール  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    うむ、いいかも。その時は最低と思っても、後から考えれば話 の種にはなる。  台風の中、全員が「なぜ、自分はこんな所にいるのか」と自問 し始める。  やがて、参加者は幹事を責め始める。 誰か「おい、幹事なら台風を止めてこい」 私 「そんな無茶な・・・」 全員「そうだそうだ!止めろ!」  無謀にも暴風雨の中、バイクに乗って台風を止めに行く私。  途中、海岸沿いの道路で高波に襲われ、バイクごと海にさらわ れて帰らぬ人となった・・・。  一向におさまらない台風。  と、「私、帰る!」と飛び出す江端夫人。  あわてる江端。  それを止めもせず、「いやあ、困ったもんですねえ」と呟く牧。  荒れる天候。  それ以上に荒れる人間関係。 # ゾクゾクするぜ。 ----------------  この後、この「台風キャンプ」が、どのような経緯になったかは、 次回「江端さんのひとりごと」にて、ご報告できるかと思います。 (本文章は、全文を掲載し内容を一切変更せず著者を明記する限りにおいて、 転載して頂いて構いません。本文章を商用目的に利用してはなりません。)