えるでございます。 この季節、わが神国日本では満開の桜が狂い咲いております。 拙宅の狭い庭に十本ほど植えられている八重桜も、春の訪れに一斉に開花し、 生命の歓喜を表現しているかのようです。 桜花の芳香に誘われて拙宅の庭を訪れるきまぐれなウグイスがその自慢の歌声 を披露し、今が旬の鰆が小田原の海を回遊し、暖かい陽光はすべての生きとし 生けるものを優しく包み、いずこも春はのどけからまし、という古歌を思い出 さずにはいられません。 一方、外界を見渡すに、人々は昼も夜も花見などと称して人目も憚らず酒と称 するあの悪魔の水を呑み、酔い、吐き、踊り、喧嘩などもいたしまして、まこ とに下戸の私などには到底理解し難い醜態を演じております。 そんな太平楽な人々の狂態をよそに、あの無能の代名詞である森総理がついに 辞任し、後釜となる人材もないまま政界はますます混迷の様相を呈しておりま す。 高度成長からバブル、その後の崩壊から立ち直れずに十年の歳月は徒に流れ、 ついにデフレが日の本を襲い、まさに21世紀初頭にしてこの国は膨大な借金 と共に沈没しようとしております。 日本武尊にも見捨てられつつあるこの国に、もう神風は吹きますまい。 ---------------------------------------------------------------------- さて、私が何を言わんとしてこの電子手紙なぞを書いておるのかと申しますと、 先日私の知人がヤフーとか称する家畜人かと誤解するような検索サイトを使い まして、ほんの好奇心から小生の名前を検索いたしますに、「ヒットした」と 言うのです。それは小生が個人的に江端氏およびその奥様に宛てた電子手紙で ございまして、 どうやら「しぐねちゃ」とか言われている部分が「ヒットした」らしいのでご ざいます。 小生といたしましては、そのような個人的な電子手紙を世界中に公開するのは 本意ではございませんので、せめて「しぐねちゃ」の部分だけでも抹消いただ きたい、というお願いをしたく、筆をとった次第でございました。                           涙の春に えるかん # 筆者に無断で本文章の引用・転載を禁ず。 (C) 2001 Erukan