江端です。 私がPCでUNIX環境を作りたくて、仕事の合間をぬって、Linuxのカーネルコ ンパイルを初めたのは、5年くらい前、Linux version 1.18くらいだったと思 います。 その頃、そんなことをしていると、ほとんど遊んでいるように言われたもん ですし、『江端が、またいらんことを』と陰で言われているのは知っていまし た。 ですから、隠れてインストールやら、カーネルリコンパイルやらをやってい ました。 当時の私は、Linuxに大いなる可能性を見いだして・・・は、いませんでし た。 はい。全く。 バカもの、暇人、阿呆と言われても、私はただ「好き」でやってきただけで す。 ----- 帰国してみると、依頼元事業部の開発がLinuxのカーネルの部分でトラブっ ているらしく、カーネルソースコードを読んで、問題箇所のアドバイスをした ら、いきなりLinuxの専門家、エキスパート扱いですよ、あなた。 この手の平を返したかのような扱いは、一体何だ。 数年前、Linuxを、「サポートのないOSなんぞが、使えるか」と豪語してい た方々は、一体どこにいったのやら、まるで、そんなことは覚えがないように 振る舞っておいでの様です。 愛社精神に溢れる江端さんは、例えそれが私個人の趣味の世界のスキルであ り、その為に一銭たりとも金を貰っていなくとも(むしろ、邪魔されたと言っ ても良いが)、愛する日立製作所の為に私の技術を供与することに、何の抵抗 もありません。 ええ、勿論。 ----- だけど、私は覚えています。 私の研鑽の日々をあざ笑った「あなた」のことを。 そして、あなたも覚えておいて下さい。 カーネルに暴走プログラムを書き込み、ファームを破壊するなんぞ、今の 「私」には朝飯前と言うことも。