江端さんのひとりごと         「ある春の夜のできごと(その後)」  福岡の実家から戻ってきた彼女を羽田に迎えに行って、夕方過ぎて夜に入ろ うとする夜景の中、首都高速を使って横浜へ向かいました。  港の見える丘公園に車を駐車し、光の瞬くロマンチックな横浜港の夜景を、 言葉なく見ている二人。  沈黙の間を少し持て余した私が、静かに彼女に語りかけました。 江端:「・・・・あのね。」 彼女:「ん〜、なに?」 江端:「・・・実は、祐子ちゃんがいない間に、家に「無言電話」がかかっ     てきてね・・・・」  と言い終わらないうちに、彼女は瞬時に私から半歩離れ、きっ、と私を見据 えると、早口で鋭く言い放ちました。 彼女:「江端君! また何かしたんちゃうの!!」  ・・・おい、こら、待て。『何か』って、何やねん。 ---------  大阪弁バージョンでした。 (本文章は、全文を掲載し、内容を一切変更せず、著者を明記する限りにお いて、自由に転載していただいて構いません。本文章は商用目的に使用して はなりません。)