江端さんのひとりごと         「披露宴緊急事態対処マニュアル」  また、結婚披露宴の司会を引き受けることになりました。  今度は大学時代の後輩の結婚式です。  私は恐らく日本でも、いや、世界でも非常に珍しい「司会大好き人間」なの で、頼まれれば基本的に引き受けることにしています。  嫁さんはそんな私を『信じられない奴』と言いますが、私にしてみれば、試 験最中に居眠りが出来るという嫁さんの方が、遥かに度胸があるような気がし ています。  で、昨日久々に「司会入門」の本を開いてみたら、『緊急時の際の対処の仕 方』と言う項目があり、地震や停電時の司会の対処法について一通り書かれて いました。  ドキッ!!としたのは次の説明。 「ダスティホフマンの映画『卒業』の中で、恋人が花嫁を奪って逃げると言う シーンは有名ですが、披露宴や結婚の司会者にとって、そんなことをされたら たまったものではありません。  非常にまれではありますが、日本でも年に何回かはあるようです。」   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                      (アンダーラインは江端)  (・・・・おい、大丈夫だろうなぁ・・、あいつ・・・。)と思いながら、 本を読み進めていったのですが、元恋人乱入に対する対処は記述されていませ んでした。  そこで、このメールを読んでいる後輩の君に質問ですが、上記の非常事態が 生じた場合、私はどの程度まで「やる」ことが許されるのか教えて下さい。 (1) 乱入には介入せず。派手なアトラクションのように見せて、その場を   誤魔化して、お開きに持っていく。 (2) 乱入には介入せず。『人生にはいろいろあるんだ。』と言う励ましの   言葉を、残された花婿、花嫁のどちらかに優しく説教して、人生の深さ   を感じ入らせる「自己開発セミナー」の形に持っていく。 (3) 乱入に積極的に介入。雛壇の前に至る前に暴漢を投げ飛ばして気絶させ   る(私は合気道の有級者)。そのまま、会場の外に引きずり出して、何   事も無かったかのように、司会を続行する。 (4) 披露宴会場の友人達を動員して、暴漢を徹底的にぶちのめした挙げ句、   披露宴の最中、隅の方に見世物としてさらす。  お返事をお待ちしております。  (本文章は、全文を掲載し内容を一切変更せず著者を明記する限りにおいて、 転載して頂いて構いません。)