「人の言うことを聞かない能力」

社内報リレー随筆

「人の言うことを聞かない能力」

2004/01/10

[その1]

 インターネットが、電話線で細々と繋がっていた頃、私は未来のインターネットを夢想して、張り切って特許明細書を書いてましたが、私より数段偉くて頭の良い人から『意味がない』と論理的に説得されてその執筆を止めてしまったことがあります。

 そして今、その発明を他社が実施しているのを悔しい思いで見ながらも、今なお、その論理を論破できない自分がいます。

 私が心の底から悔しいと思うことは、世間がなんと言おうが、論理的に破綻していようが、私が信じるものは絶対である、という狂信的な思い込みを持ち得なかった自分に対してです。

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[その2]

 数年前に私が結婚を決意した時、私の回りは一斉に反対の声を上げました。

 私に結婚を思い留まらせる為に合宿まで企画されました(本当)。

 『写真のこの娘は堅気の娘ではないか。暗黒サイドのお前とは所詮住む世界が違う!』(暗黒サイドって何?)。

 実際、その当時彼女自身、本当に私と結婚したかったかどうかも疑わしく(と言うと嫁さんは『何を言うの!たとえ、あなたが売れない場末の芸人であっても、私は・・』と言い返すのですが)、私は彼女の意見すら十分に聞かずに結婚に踏み切りました。

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[結言]

 私達は自立した社会人として、人の話をきちんと聞かねばなりません。

 しかし時として「人の話を聞かない能力」を問われるものが世の中に2つだけあります。

 それが「特許」と「愛」です。

 お忘れなきよう。