こんにちは、江端です。 Nakayama worte on Thu, 26 Mar 1998 05:29:55 +0900 > 何でこんな時間に働いてるかって? > バグだよバグ。 > 出したんだよ盛大に。 > 俺じゃねえぞ。俺の後輩。 > いやーもう納入したらたった1日で10件もボロが出ちゃって。  すごいな。製品出荷で一日10件か・・。  これがどれくらい凄い事か、ソフトウェア関係でない方に簡単に御説明 致しましょう。  新築の一戸建てを購入したとしましょう。購入した家族は、現場の作業員と 綿密な打ち合わせを繰り返して自分の望む家にしてもらうよう、完成まで一生 懸命努力します。  さて、ようやくお家が完成しました。  喜び勇んだ家族が、家の中に入って一日すごしたら・・・・  風呂桶から水が漏れている、天井から雨漏りがする、ベランダの手すりが 落ちる、壁に穴が空いている、と言う事ならまだしも、ガスが漏れている、 電気が漏電している、棚が寝ている顔の上に落ちてくる、玄関のノブが落ちる ・・・・てなもんです。  こんなこと一件でもあったら、業者の信頼は地に落ちます(当たり前だ)  つまり「バグ」とはこういう事なのです。  バグが発見された場合、通常その原因は、刺客を放たれたスパイとまごうば かりに厳しく追求され、挙げられた犯人は部内の全員の前で自分の作り出した バグの原因とその対策をOHPを使って発表させられ、辛辣な皮肉の嵐の中で 自己存在を否定するのも同然の自己批判を行わなければなりません。  で、そういう原因を洗い出すため、関係者(場合によっては無関係者)全員 による徹底的なプログラムチェックが至上命令として発せられるわけです。 > 大大大至急バグ直せ!っつーんで徹夜しとる訳。 > しかし、直接の担当者じゃない俺が何故? > この不条理。眼精の充血。前頭葉の疲労。 > もー帰るぞ俺は!って言うか、帰りたい!って言うか、お願い帰して! と言う事態になるのが、この業界の常です。  しかるにだなあ・・・あのビルなんちゃらと言う馬鹿が作った会社が撒き 散らしているバグの嵐は、10や20できくものではなく、単なるバグなら まだしも、プライバシー情報を垂れ流しにしかねんバグを残したまま、世界 中に製品を撒き散らしているわけです。  我が社がたとえ一日10件のバグを作ろうとも、こうして徹夜で対処する と言う姿は、なんとすがすがしい姿なのでしょう。 > 今日はもう徹休! > 旅館で卓球! > お前にFuck You! > ってもー錯乱状態。 ・・・でもないか。