江端さんの忘備録

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2012年 02月 06日
ナンパ バイ ルンゲクッタ
渋谷の横断歩道で、

『ねー、彼女。今からどこへ行くの。ねえ、無視しないでよぉ』

と、横断歩道を渡っているお姉さんの「前方」を「後ろ向き」に歩きながら、しゃべりかけていた若い男性を見た時、私は相当に驚いたものです。

これが、あの有名な

『ナンパ』

と言うものなのか、と。

私には「できない」と思ったし、少くとも、あの当時は、「あんなことする位なら、舌を噛み切って死んだ方がマシだ」と思える程に不快でした。

今の時代、そんな「上品」なことは言ってられないのかもしれませんが、自分の娘がそんな男に引っかかったら嫌だなぁ、とは思えます。

それはさておき。

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先日、私、地下鉄から降りたところで、危うく「ナンパ」しそうになってしまいました。

若い女性が、微分方程式の近似解を求めるプリントを読みながら歩いていたからです。

―― ルンゲ=クッタ法(Runge-Kutta method)だ!

大学の数学、あるいはコンピュータを使った演習問題だったかもしれません。

『あの手法、分割数を間違えると、コンピュータの丸め誤差で、値が大きく狂ってくるんだよな。大丈夫かな、この娘』

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大学の頃、ラジコンカーで自律推論の研究していた時、非線形問題を解くところで研究が止ってしまいました。

中間発表の時、教授にその点で批判された私は、「非線形問題は確定的には解が求められない」と反論したところ、

『江端、お前はアホか。非線形方程式の解法アルゴリズムなんぞ、腐る程あるだろうが』

と言われ、3秒程考えた後、

「あ」

と言って、その後「その通りでした。申し訳ありませんでした」と、小さな声で教授に謝りました。

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「後ろ向き」に歩く彼と、「ルンゲクッタ」の私には、一体どれほどの違いがあるだろうか、と考えてみました。

少なくとも、「後ろ向き」に歩く彼は、お姉さんの「顔」を正面から視認してるのですが、

私は、お姉さんの読んでいたプリントを後ろから覗き込んだだけ、

と言う点で、大きな差異があると考えております。
2012年 02月 05日
偽善者
<2007年 10月 07日の日記より>
http://www.kobore.net/cgi-bin/diary/read.cgi?date=20071007

阪神大震災の3週間後に、私は被災地ボランティアにでかけて、その被災地の詳細なレポートを社内のネットに流しました。

この文章は多くの人に読まれたようなのですが、その感想は、概ね、被災の実体を知ったことの衝撃、または、私の行為の賞賛等のものでした。

その中で、一人だけ「江端さんって、本当に偽善者ですね」と、笑顔で応えてくれた女性がいました。

(後略)

</2007年 10月 07日の日記>

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今、図書館から借りてきた本を読んでいます。

『人間の本質は欲望である、人間は欲望に支配されとるっちゅう、身も蓋もない荀子の思想やね。 ―― 人間は生まれながらにして悪性を持つ、言うねん』

『ゆえに人が善行をなすならば、それは本性でなく偽りによるしかない ―― そう喝破した。偽りであり偽物であり、―― 偽物であるしかないと』

(西尾維新「偽物語(下)」)

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しまったぁーー。それが答えだったのかぁーーー。

「江端さんって、本当に偽善者ですね」

と言われた時に、

「『善はもとより全て偽善であり、だからこそ そこには善であろうとする意思がある』。荀子の性悪説ですね」

と、ドヤ顔で切り返すべきだったのだ。

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きっとその時も、その返事が期待されていたに違いない。

間違いない。

『毛沢東の論文「実践論」くらいは読んでおけ』と私に言った人だったしなぁ。

ああ、17年前に戻って自分に教えてやりたい。

(なーんだ、江端も、所詮はこの程度か・・・)と思われていたかと思うと、滅茶苦茶に悔しい。

# いや、実際「この程度」なんだけどさ
http://www.kobore.net/cgi-bin/diary/read.cgi?date=20071007
2012年 02月 04日
警告
高熱は出ていないので、多分インフルエンザではないと思うのですが、今年の風邪は半端ではありません。

頭痛、関節痛は勿論なのですが、凄いのが「悪寒」。

コロラドのアスペンのブリザードに雄々しく立っていたこの私に、トイレに行くことすらを躊躇させるような、物凄い「寒さ」。

# 寒さで悲鳴を上げたのは、今回が人生最初かもしれない。

しかも、食事を取り、水分を摂取し、栄養を供給し、どんなに寝ていても回復しやしない。

一瞬回復したように見えて、頭痛→全身激痛→悪寒→喉の痛み→目の痛み→・・・と、いつ果てることなく続く、病症の連鎖。

普段気がつかないのですが、病気で一番問題なのは、

『自分が苦しい』

ということです。

苦しくて、寝てもいられません。

地獄ですよ、この風邪。

この冬の風邪は症状が酷くて、加えて、やたらその期間が長い。

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症状が現われた人は、もう手遅れかしれません。

私も初期症状が現われた段階で、早期に休息を取りましたが、駄目でした。現在、ウイルスか細菌かは不明ですが、

ファイナルステージ

まで、つき合わされてしまっています。

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まだ風邪に至っていない人。

ちゃんと食べて、早く寝ましょう。
夜更かしはせずに、仕事も8割程度で良いです。

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もう一度言いますが、

地獄ですよ、

今年の風邪は。
2012年 02月 03日
風邪の為、お休み
(風邪の為、お休み)
2012年 02月 02日
棄村宣言
昨日、体調が悪くて会社を休んでいましたが、夕方頃には復調したようなので、久々に家族で夕食しました。

私がいるときは、NHKニュースを見るということが、我が家のポリシーですので、子供達も諦めてニュースを見ていました。

丁度、私が、配膳をしてテレビの後ろを向いていた時、

『福島・川内村、棄村宣言』

というアナウンサーの声が聞こえてきて、驚いてテレビの方を振り向きました。

―― ついに、村を捨てなければならない状況にまで至ってしまったのか。

―― これが、「核」と共存する世界の現実か。

驚愕と恐怖で絶望で、涙目になりそうになった時、

「帰村宣言」

をしている村長の映像が見えました。

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ああ、勘違いで本当によかった、と久々に深く安堵しました。
2012年 02月 01日
名探偵コナンはいない
二人の娘は「名探偵コナン」のファンです。

「探偵ねえ・・・、あんまり人に誇れる職業ではないと思うが」

と呟いていると、

「『探偵』って職業、本当にあるの?」と娘達に驚かれてしまいました。

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「あるよ。主な仕事は、浮気調査、結婚前の素行調査、近所でのインタビュー、てなものだけどね」

「それって、どういう仕事」

「基本的には、『人の知られたくないプライバシーを暴いて、依頼主に報告する』仕事だよ」

なんで、そんなことするの?

「例えば、お前達が、変な男に騙されていないか、お前達とつきあっている「男」を調べて貰う為だよ」

それって、悪いことじゃないの。

「人の家に不法侵入とかしないかぎり合法だよ。でも当然、違法ギリギリのところで調査することなるので、警察とは滅茶苦茶に仲が悪い」

「目暮警部とコナンは、本来、目を合わせれば殴りあいするくらいの間柄、が普通だろう」

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そもそもね、

「探偵には、顧客の秘密を守る義務があるんだよ」

「誰が、その仕事を依頼してきたか、絶対に喋らないという義務が」

「たとえ、眉間にピストルの銃口を突き付けられても」

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だからパパは、

コナンも毛利探偵も、「職業意識の薄い、節操ない奴らだなー」と思っている。

依頼内容を、だれそれ構わずベラベラしゃべり捲っているなぁーー、って。
2012年 01月 31日
マックとマクド
あるインターネットのサービスで、マクドナルドの割引券が安価に入手できることが分かり、嫁さんに相談しました。

「マックの割引券が入手できるけど、必要かな?」

と言う質問に、嫁さんは、意外な面持ちで応えました。

「『マック』?」

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以下は、フィクションです。

関西の人が関西で、関東から出張に来た人を、殴る蹴るの暴行を加えていたとします。

私は、これを止めに入り、『一体何があったんだ?』と、その暴行を加えていた人に聞きます。

―― だって、こいつ、マクドナルドを「マック」「マック」って、連呼していやがったんだぜ ――

『そうか、そういうことなら、仕方ないな』

と言って、私はそのまま立ち去ることになると思います。

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関西で、マクドナルドは、絶対的な意味において

『マクド』

です。

『マック』などという呼称は、関西の文化を蹂躙する許されざる暴言です。

少なくとも、嫁さんと私の京都に在学中の時代において、マクドナルドのことを「マック」と呼ぶような発想は欠片にも存在せず、そんな非常識な行為自体が想定できないという状況でした。

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しかし、あれから、もう20年もの歳月が流れました。

今は、どうなんでしょう。

関西の皆さんからの連絡をお待ちします。